今年も速いもので一年が終わろうとしていますね。
クリスマスも終わり、いよいよ年の瀬といった感じがします。
さて、少し遅くなりましたが、年末・クリスマスシーズンにぴったりな楽曲を1曲ご紹介したいと思います。
その楽曲とはAimerさんの『everlasting snow』。
クリスマスはもちろんのこと、冬の息吹から身を温めてくれそうな素敵な楽曲なので、ぜひ一度聴いてみてほしいです。
本記事では、Aimerさんの『everlasting snow』の歌詞の意味や世界観、曲調・音楽性を独自見解ではありますが考察・解説してまいりますので、楽曲を楽しむ一助としていただければ幸いです。
Aimerのwiki風プロフィール
クリスマスソングの一つとしてもファンの間で慕われる『everlasting snow』を歌う女性アーティスト・Aimerさんのwiki風プロフィールはこちらです!
アーティスト名:Aimer(えめ)
本名:不明
生年月日:1990年7月9日
出身地:熊本県熊本市
身長:165cm
メジャーデビュー:2011年9月7日
レーベル:SACRA MUSIC(2021年~)
代表曲:残響散歌、茜さす、春はゆくなど
2022年のNHK紅白でも鬼滅の刃・遊郭編の主題歌『残響散歌』を歌うと話題になっている女性アーティストAimerさん。
- ポラリス
- 茜さす
など、誰しもが抱える哀しみや闇をも共有する歌詞を綴り、見事にその世界観を歌い上げてくれるウィスパーボイスの持ち主としても非常に人気の高い女性アーティストですよね。
元々は、歌姫として慕われるMISIAさんや宇多田ヒカルさんのような、抑揚もあり音の伸びがすごいアーティストのような歌い方をしていたAimerさん。
しかし、声に大きな負担がかかるとあって、今のようなウィスパーボイスの歌い方を身に着けたそうです。
どこか儚く切ない表情を醸し出し、一方では、『残響散歌』のように妖しくも攻撃的な側面ものぞかせてくれる…・
Aimerさんのウィスパーボイスだからこそ醸し出せる唯一無二の音楽性が、ファンの間では非常に人気ですね。
さて、そんなAimerさんが歌う隠れた人気クリスマスソングが今回ご紹介する『everlasting snow』。
この楽曲はTVアニメ『夏目友人帳 伍』のエンディングに使われた楽曲『茜さす』と共に、Aimerさんの12th両A面シングルとして、2016年11月16日にリリースされた楽曲です。
『茜さす』が夏目友人帳のエンディングに起用されたためか、両A面シングルとして共に収録された『everlasting snow』はどちらかというとあまり目立った注目を受けていない印象ものぞかせます。
しかし、楽曲を知るファンの間では名曲と評判高く、『everlasting snow』はAimerさんの楽曲の中の『隠れた楽曲』ともいえると思います。
確かに、『残響散歌』のような熱狂できる楽曲も素晴らしいです。
でも、ファンの一人としては、『everlasting snow』のような、その曲を知らないという人が多くとも、Aimerさんらしさ全開で多くのファンを魅了する隠れた名曲もたくさん聴かせてほしいと願っています。
『everlasting snow』が隠れた名曲である理由
Aimerさんのことを知らない音楽ファンからしてみれば、『everlasting snow』なんて曲聴いたこともないかもしれません。
やはり、Aimerさんといえば、
- 『残響散歌』:TVアニメ『鬼滅の刃・遊郭編』OP
- 『I beg you』:アニメ映画『Fate/stay night [Heaven’s Feel] II.lost butterfly』主題歌
- 『StarRingChild』TVアニメ『機動戦士ガンダムUC episode7「虹の彼方に」』主題歌
- 『Black Bird』:映画『累-かさね-』主題歌
といったタイアップソングを想像される方が多いかもしれません。
確かにオリコン売上ランキングでも最高順位が高かった曲ばかりで、『everlasting snow』は、それらの楽曲と比較するとやや認知度不足感が否めません。
しかし、ある種、人気楽曲以上に聴き手に寄り添い心を温めてくれるような楽曲の一つとして、『everlasting snow』は、コアなファンの間で非常に人気の高い楽曲です。
正直なところ、『everlasting snow』は、特にド派手な演出はなく非常にシンプルな楽曲ですが、誰もが抱えるネガティブな感情(儚さ・切なさ・哀しみなど…)を共有しつつ、それらを包み込み癒やしてくれるような歌詞・音楽性を持っています。
そんな楽曲だからこそ、きっとコアなAimerさんファンから、『everlasting snow』は絶大な支持を受けているのでしょうね。
決して目立ちはしないものの、『everlasting snow』は、聴きこむほどその魅力を体感できる楽曲であり隠れた名曲なのです。
下記に『everlasting snow』のMVのリンクを貼っておきますので、気になる方はぜひ一度聴いてみてください。
クリスマスはもう終わってしまいましたが、年末に聴いても心温まるウィンターソングとして非常におすすめの楽曲です。
『everlasting snow』が、一人でも多くの人達の心を温めてくれる楽曲として知れ渡っていくことを心から願っています。
『everlasting snow』の歌詞の意味・世界観
冒頭からお伝えしている通りAimerさんが歌う『everlasting snow』はクリスマスシーズンにふさわしい隠れた名曲の一つとして、コアなファンほど人気のある楽曲です。
では、具体的に、『everlasting snow』の歌詞の意味や世界観を、筆者独自の見解ではありますが掘り下げて解説していきますね。
空から舞い降りた奇跡の正体
『everlasting snow』のAメロの歌詞には、
『今夜奇跡は空から舞い降りて一人ぼっちの肩で羽を休めてこう呟いた』
と綴られていますが、結論からいって、この奇跡とは雪のことを指しているんだと思われます。
特に近年、何かとせわしなく人と人がすれ違っていくかのように目まぐるしく行き交う時代ですから、雪がそっと寄り添うように主人公の肩にちょこんと舞い降りること自体が一つの奇跡と言えるのかもしれません。
でも、一方ではクリスマスに雪が降るから奇跡とか大げさと感じる方もいらっしゃるかもしれませんよね。
筆者も何故クリスマスに雪が降ると奇跡というのか気になり、そのルーツなどを調べてみたところ、どうやら、1843年に発表されたイギリスの小説家『チャールズ。ディケンズ』の著書『クリスマス・キャロル』の中で描かれたことが一つのルーツとされていると判明!
物語自体は、金儲けしか考えない守銭奴 の主人公がクリスマスの夜に出会った幽霊によって過去・現在・未来の不可思議な体験に衝撃を受け改心するお話みたいですが、その中で雪の降るホワイトクリスマスが描かれ読者の間で人気を博したようです。
確かに、近年のクリスマスシーズンを見ても、12月24日・25日に雪が降ったという記憶はそんなにありませんし、今年は豪雪による被害なども出たというニュースも見聞きしていますが、ホワイトクリスマス自体が珍しく奇跡というのもわかる気はしますね。
さて、話を戻しますが、クリスマスに雪が行き交う人々の肩にちょこんと舞い降りるように降り積もることを『奇跡』と表現する理由として、今述べたルーツに関わる理由以外にもあと2つあると筆者は考えています。
一つは、時間軸を緩やかにしつつ疲弊しきった心身を癒すマジックのような効果が感じられる点。
そもそも、私たち現代人は、日々の生活や仕事に追われ気がついたら一年終わっていたなんてことも珍しくない程多忙を極めています。
そんな最中でも、クリスマスにそっと舞い降りる雪を見ると、ふと立ち止まり心を休めてしまうものです。
もちろん、雪そのものに特別なヒーリング効果があるわけではありません。
ただ、。ゆっくり舞い降りる雪には、どこか生き急いでしまっている私達に休息を与えてくれるような奇跡が、少なからずあるのだろうと筆者は考えているわけです。
クリスマスに降る雪=奇跡と位置づける世界観・物語
さて、Aimerさんが歌う『everlasting snow』の根幹ともいうべき世界観が、クリスマスに降る雪=奇跡と位置づける3つ目の意味合いとして捉えることが出来ます。
一つはルーツに携わるもの、もう一つは時間軸を緩やかにし休息を与えてくれる奇跡、そして、最後の一つが、今回の『everlasting snow』で描かれる世界観を遠きく関わっているように筆者には感じられました。
では、その世界観がどういうものか、改めて歌詞とともに振り返ってみましょう。
まず『everlasting snow』に登場する主人公は一人の社会人女性と思われます。
Aメロ後半でも、『誰もがみんな足早に過ぎ去っていく白い吐息越しに見た街』と綴られているので、おそらく仕事帰り寂しく帰路につく途中の光景を描いているのかもしれませんね。
話を戻しますが、そんな仕事帰りの女性が『everlasting snow』の中で、どの様な感情を抱いているのかというと、その答えは、サビ前の歌詞に出ていました。
その歌詞には『やがて、大切な誰かを傷つけた事、愛しい誰かが側にいない事の孤独や悲しい思い出』と綴られています。
おそらく、この主人公は、過去に大切な家族を傷つけてしまったことへの後悔や、二度と会うことの出来ない哀しみを抱えながら、幼かった頃の思い出を振り返っているのでしょう。
確かに、昔と異なり核家族化が進む現代社会において、自立して一人暮らしする女性も珍しくありませんが、もし単純な一人暮らしであれば、大切な家族を傷つけた後悔に苛まれる前に電話なりメールなりで謝罪して許しを請うはずです。
しかし、それができないから後悔の念が消えない…
つまり、本楽曲の主人公となる女性は、大切な父(または母親)がすでに亡くし、二度と会うことの出来ない哀しみに苛まれているわけです。
そして、この哀しみの中、雪が降るクリスマスの街中をふと見渡すと、あたりではクリスマスを楽しむカップルや家族の姿が映し出され、自分だけ一人孤独を感じてしまいます。
この孤独が如何に寂しく切ないものなのか、想像を絶する物語が展開されていくわけです。
そんな主人公を待ち受けていたものが奇跡として舞い降りていく雪だったわけ…
それも、孤独・寂しさを払拭するかのごとく寄り添うように主人公の肩に舞い降りたわけですから、ある種の暖かさをも感じさせられますね。
もしかしたら、この雪というのは、亡くなった主人公の父親(もしくは母親)が、
『二度とこの世では会えないかもしれないけど、ずっと見守っているからね。あなた一人ぼっちじゃないんだから大丈夫だよ。』
と語りかけているかのかもしれません。
そのように感じさせる雪だからこそ、聴き手にとっても奇跡と感じることができるのでしょうね。
『everlasting snow』が哀しくも暖かみのある楽曲と感じる理由
出典:https://www.town.sobetsu.lg.jp/
ここまでAメロからサビに入るまでの歌詞で、『everlasting snow』は、哀しく寂しい孤独を物語るかのような主人公に舞い降りたほんの僅かな雪という奇跡を物語っているとご紹介してきました。
おそらく、このまま終わってしまえば、哀しい楽曲で終えたことでしょう。
しかし、『everlasting snow』はサビの歌詞で一気に暖かみのある優しい楽曲へと様変わりします。
その歌詞が、
『everlasting snow冬の奇跡、今年も街を白く染めて、祈りというキャンドル誰もが胸に小さな灯りを灯す』
というサビのフレーズです。
闇から一気に光が灯された場合はその光がまぶしすぎて目が開けられないなんてこともあるかもしれませんが、白く降り積もった明るいキャンパスを祈りという名のキャンドルの光が灯ることで、優しく暖かい光へと変身させていく…
そのような感覚を主人公に与えてくれているのではないでしょうか。
さらに二番のサビの歌詞では、
『The everlasting now夜空見上げ、傷つけあった時を止めて、一人じゃないよって、誰かがそばで小さな奇跡をおこす』
と、一人じゃないことをダメ押しするかのように綴られています。
客観的に見ると、たしかに一人ぼっちのようにも見えますが、そんな状況下にいたとしても、決して一人じゃないということを、『everlasting snow』は最後の顛末として教えてくれているのです。
だから、哀しくも寂しいクリスマスと感じながらも一方で思い出に浸りながら暖かく癒やされるクリスマスと印象付ける優しい楽曲へといえるのでしょう。
主に、『everlasting snow』はクリスマスソングとして浸透されていますが、ぜひクリスマスに限らず、どこかで寂しさを感じているときに聴いてみてください。
きっと心がぽかぽかして暖かさと癒やしに包まれていくことと思いますよ。
『everlasting snow』の曲調・音楽性
出典:https://www.pretty-online.jp/
さて、今度はAimerさんが歌う『everlasting snow』を、曲調・音楽性から解説してみましょう。
この楽曲は、降り積もっていく雪を奇跡と捉えそっと寄り添うように優しく語りかけていくタイプの楽曲として手掛けられています。
それは楽曲を聴いても十二分にうかがえ、全体的にAimerさんの歌声にそっと寄り添うように演奏されている印象が…
例えば、リズムを刻むはずのドラムは、静かに優しく叩かれ、サビ前とサビに入る辺りで若干シンバルがなっているかなと思う程度…
ベースも比較的ストリングス系を採用し、基本はピアノで全体の演奏が施されています。
ピアノを基軸にエレクトーンやストリングス系の音で優しく包むことで、『everlasting snow』の楽曲は構成されているのです。
一方、テンポに関しても実にゆったりしていて、聴いていて心地よさを感じさせてくれます。
それはサビの部分でも変わらず、四拍子で演奏されていることがはっきりわかり、刻むリズムが非常に心地いいのです。
確かに、ロックテイストのノリの良い激しい楽曲も良いと思いますが、忙しい日々を少しゆったりさせながら『everlasting snow』のようなゆったりした楽曲を静かに聴いてみるのも味わいあるので非常におすすめです。
ぜひ、この年末に大切な誰かとともにゆっくりリラックスしながら聴いてみてくださいね。
『everlasting snow』が聴き手に届けるメッセージとは?
最後に『everlasting snow』が聴き手に届けるメッセージについてまとめておきましょう。
先程、歌詞の解説で『どんな状況下にいても一人ぼっちじゃないんだよ』というような話をしましたが、まさに、そのことが非常に重要なんです!
今、地球上では、内紛や戦争・テロなど人と人が傷つけ合う悲劇が繰り返されています。
もちろん、文化や歴史の相違により争いが絶えなくなっている部分もあるでしょう。
でも、人は一人ではないからこそ、常に誰かと寄り添い支え合って生きていきたいものです。
そのことを忘れず社会そのものが平和で優しくあってほしい…せめてクリスマスという神聖な日くらいは…
そういう想いが一つのメッセージとして、『everlasting snow』に込められているのではないでしょうか.
どうしても時間を急ぐあまりギスギスした感情に支配されがちな現代社会ですが、だからこそ、一度足を止めて『everlasting snow』を聴きながら優しい気持ちを取り戻してみませんか?
きっと、それぞれが優しい気持ちを取り戻せば、みんなが笑顔になる社会となり、『everlasting snow』が描こうとした世界を見ることができると思いますよ。
『everlasting snow』の歌詞の意味・音楽性のまとめ
今回は、少しクリスマスからは遅れてしまいましたが、Aimerさんが歌うクリスマスソング『everlasting snow』の歌詞の意味や世界観、曲調・音楽性を、筆者の独自見解ではありますが考察・解説させていただきました。
普段はあまり考えもせずに大切な家族相手でも些細な事で傷つけてしまうこともあるかもしれません。
しかし、たとえ孤独を抱えることになったとしても、大切な家族は雪という奇跡に変換されつつあなたに寄り添ってくれます。
『everlasting snow』は、暖かくも寄り添うことの大切さを教えてくれる大切な楽曲でもあります。
ぜひ、大切な人とゆったりしながら聴いていただけたら幸いです。