同郷の仲良きメンバー5人で結成し、現在は一人抜けて4人組体制となりつつも、透明感溢れ、味わい深い音楽を手掛け続ける男女混成音楽バンド『緑黄色社会』。
ヴォーカル担当の長屋晴子さんの歌唱力もさることながら、叙情的な音楽を手掛けるメンバーの音への楽しみ方にはただただ脱帽するばかりです。
さて、そんな緑黄色社会の手掛ける楽曲の中でもより叙情的で心に響く楽曲としておすすめしたい楽曲が『LITMUS』。
本記事は緑黄色社会の『LITMUS』について、歌詞の意味や世界観、曲調・音楽性などを、筆者独自の見解で解析しつつ、その魅力をご紹介させていただきます。
緑黄色社会のwiki風プロフィール
叙情的で儚く胸が締め付けられるような素敵な楽曲『LITMUS』を手掛ける緑黄色社会のwiki風プロフィールはこちらです!
ユニット名:緑黄色社会(りょくおうしょくしゃかい)
グループ結成日:2012年7月4日
メンバー:長屋晴子さん(ヴォーカル、ギター)、小林壱誓さん(ギター、コーラス、peppeさん(キーボード)、穴見真吾さん(ベース)
メジャーデビュー:2018年11月7日
レーベル:エピックレコードジャパン
所属事務所:SML Management
代表曲:『sabotage』,『Mela!』,『LITMUS』,『キャラクター』など
各メンバーのプロフィール
名前:長屋 晴子(ながや はるこ)
担当:ヴォーカル、ギター
生年月日:1995年5月28日生まれ
出身地:愛知県出身
身長:161cm
血液型:B型
ニックネーム:長屋さん、晴子ちゃん、こっちゃん
名前:小林 壱誓(こばやし いっせい)
担当:ギター、コーラス
生年月日:1996年2月11日生まれ
出身地:愛知県出身
身長:177cm
血液型:不明
ニックネーム:いっせーまん
名前:peppe(ぺっぺ)
本名:神谷 香奈江(かみや かなえ)
担当:キーボード
生年月日:1995年12月6日生まれ
出身地:愛知県出身
身長:155cm(推定)
血液型:不明
ニックネーム:peppe(ぺっぺ)
名前:穴見 真吾(あなみ しんご)
担当:ベース
生年月日:1998年1月27日生まれ
出身地:愛知県出身
身長:170cm前後(推定)
血液型:不明
ニックネーム:真吾くん
元メンバー
天野 夏実(あまの なつみ、担当:ベース)
杉江 泰周(すぎえ やすちか、担当:ドラムス)
長屋晴子さん、小林壱誓さん、peppeさん、穴見真吾さんの同郷出身4人組で活動している男女混成音楽バンド『緑黄色社会』。
同郷の仲間で組んでいるだけあって、純粋に音楽を楽しみながらバンド活動している様子が楽曲を通じて体感できるので、多くのファンはそんな純粋な緑黄色社会の音楽を高く支持しているようです。
さて、そんな緑黄色社会の手掛ける音楽というと、やはり、直接心に問いかける純粋無垢な音楽という表現がしっくりくる気がします。
もちろん、他のアーティストの音楽も、大なり小なり心に問いかける部分はあると思いますが、それ以上に透明度が高く心に響く音楽という印象を緑黄色社会の音楽から多大に受けてしまうのです。
まぁ、そこが緑黄色社会の最大の魅力だと思いますし、他のアーティストが真似できない唯一無二の個性なのかもしれませんね。
今回、ご紹介するLITMUSも、緑黄色社会らしさがふんだんに詰まった素敵な楽曲で、切なさやもどかしさがストレートに伝わり、思わず胸が締め付けられるような感覚を受けました。
楽曲の特徴はもちろんのこと、歌詞の意味・世界観や曲調・音楽性などに関しては、後ほど独自見解でたっぷり解説していきますので、ぜひお楽しみを…
そんなLITMUSを手掛けた緑黄色社会が、他の楽曲でも透明度の高いストレートな楽曲として、多くの音楽ファンから愛され続けてほしいと、今後の変わらぬご活躍を期待しています。
叙情感あふれる緑黄色社会の名曲『LITMUS』とは?
2021年放送のテレ朝系ドラマ『緊急取調室』の主題歌としても起用され、叙情感たっぷりに多くの音楽ファンの心に響かせる『LITMUS』。
この楽曲は、冒頭からお伝えしている通り4人組男女混成音楽バンド『緑黄色社会』の代表とするナンバーですよね。
テレビ制作ドラマ班からは、『被疑者目線の楽曲を…』とリクエストされていたそうですが、当然、被疑者になったこともない緑黄色社会のメンバーたちは、想像力をフル回転させながら、見事にそのリクエストに応えてくれました。
真摯に音楽に向き合い音を奏で続けている緑黄色社会だからこそ、この様な難題にも柔軟に応えることができるのでしょうね。
筆者自身、ここ数年ドラマをまともに観ていないため『緊急取調室』がどの様なドラマであるのか、詳しくわかっているわけではありませんが、少なくとも刑事ドラマだということはわかっています。
そんなドラマの楽曲としてピッタリだなと感じましたし、切なくもどかしい主人公の感情を見事に描いているなとLITMUSを聴いた瞬間に感じました。
第一印象から素敵だと印象に残る楽曲なので、切なくもどかしい感情に浸りたい方などにはおすすめですよ。
LITMUSのMVのリンクも貼って置きますので、気になる方は、ぜひリンクをクリックして聴いてみてくださいね。
LITMUSの歌詞の意味・世界観を解説!
さて、ここまで叙情的な楽曲として独自的見解ながらご紹介してきた緑黄色社会の名曲『LITMUS』。
それは、歌詞の意味や世界観を紐解くとより具現化されるような気がしてなりません。
では、早速ながら、独自見解ではありますが、緑黄色社会『LITMUS』の歌詞の意味や世界観を解説してまいりましょう。
冒頭から不穏な空気漂う歌詞
LITMUSの冒頭の歌詞には
『誰より深く わたしを知っていた
あなたにだけ言えない 秘密がある』
と、かなり意味深なフレーズが綴られていますが、まさに、この楽曲の歌詞が持つ世界観の切なさやもどかしさが冒頭から描かれていますね。
一般的に秘密なんて誰もが一つや二つ抱えているでしょうし、それがバレたとしてもさほど大した問題には発展しないものですが、この歌詞に登場する秘密は、バレたらとんでもない惨事となってしまいそうな予感すらうかがえます。
例えば大好きな人との不倫関係にある人物がその秘密をひた隠しにしているとか、なにか危ない関係のようなものさえ匂わせる…
そんな冒頭の歌詞なだけに、果たしてどんな顛末が待っているのでしょうか…
そう思いながら、色々調べてみると、とあるインタビュー記事を発見!
そこには、何故LITMUSのテーマが秘密であるのか、その理由が掲載されていました。
一応、その記事のURLも貼っておきますので気になる方は、ぜひご覧ください。
音楽ナタリーが緑黄色社会『LITMUS』発売に応じて取材したインタビュー記事
出典:https://natalie.mu/
秘密=被疑者が隠す過去の罪
今回のLITMUSでテーマとされている『秘密』には、先程お伝えした通り、テレビドラマ『緊急取調室』のドラマ制作サイドからのリクエストとして、被疑者目線で楽曲を制作してほしいとリクエストがありました。
そのリクエストに応える形で楽曲が手掛けられ、どことなく後ろ暗い過去を持つ主人公が登場しているのです。
当然、冒頭の歌詞から筆者が考察した危うい関係というのも秘密という部分に含まれているのでしょう。
ちなみに、不倫の場合は現在進行系の不倫関係がアウトであり、既婚そのものが罪というわけではありませんが、誰かに対する後ろめたい罪ということに変わりはないと思いますよ。
まぁ、不倫が罪なのかどうかは別として、少なくとも、主人公(被疑者)が過去の罪を秘密にしながら今の恋に向き合うことへの儚くももどかしい物語=LITMUSで描かれるストーリーであると言えるのでしょうね。
好きだからこそ触れられたくない気持ち
さて、話を戻しますが、不倫関係か過去の罪なのかはともかく、LITMUSに登場する主人公は、明らかに、今の交際相手に対して秘密がバレることを恐れていることがうかがえます。
そして、LITMUSのAメロの歌詞に入ると、そんな秘密を抱えたままの危険な恋路が弾色濃くうかがえてくるのです。
- 『思えば思うほど隠れてしまう』
- 『あなたの手が触れる未来を待つことがどれほど危ういか』
この部分のフレーズなんて、実に意味深ですよね。
純粋に恋し合う二人であるならば、別に隠れる必要もありませんし、触れ合いたいと思うのはごく自然なこと…
ですが、自然に堂々と恋し合う関係でいることが許されないからこそ、気持ちを押さえつけるのが辛く、秘密裏にしか動けないもどかしさに気が狂いそうになっているのでしょう。
では、何故秘密を抱えながら恋を続けなければいけないのでしょうか?
もしかして、過去に何かしらの罪を犯し、それがバレたら関係が終わってしまうと感じているから?
それとも、既婚しているにも関わらず、今の相手に恋を抱き不倫の関係に至っているから?
その理由はいろいろ考えられますが、決して平坦な道を歩く恋路とは言えそうにありません。
どこか一つでもボタンがズレたら一気に崖下に墜落してしまいそうな、そんな危険な恋であることに違いないでしょう。
だからこそ、主人公は、『好きなのに触れらたらその恋が終わってしまうかもしれないから今は触れられたくない』という感情を高ぶらせてしまうのです。
なんとも切なくもどかしい叙情的な恋の物語ですよね。
サビの歌詞のにある『その』の多用&『おのれ』の正体
サビに入ると、
『その手を その目を
その輝きをそのままに』
というように、『その』というワードが4連発するため、なんともクドく感じてしまうのですが、それは気の所為でしょうか?
もちろん、これにもちゃんとした意味があります。
主人公は、今の交際相手を死ぬほど大好きですが、秘密を抱えてしまっているため、安易に触れることができずにいます。
だからこそ、これ以上踏み込みたくない気持ちと同時に、『良いときの思い出を胸に秘め関係を断ち切れたら良いのに』と考えているわけです。
そして、サビに登場する4つの『その』は、主人公の中でより良い思い出として輝かせたい感情を強調させるためのものであったと、筆者は感じています。
さらに極めつけはその後に出てくる『おのれ』というワードです。
『おのれ』とは私・自分に対する別の表現ですが、関西の方言として、相手対して暴言を吐く時に『おのれ』と威圧的に発する言葉としても使われますよね。
そのため、決してきれいな表現とは言い難いのですが、なぜ急に『おのれ』という言葉が登場してきたのか、それにもちゃんとした意味があります。
この『おのれ』はまさに、自分に対する責め(戒め)の言葉であり、だからこそかなり辛辣に聴こえるように『おのれ』と表現されています。
冒頭からお伝えしている通り、LITMUSに登場する主人公は、『相手に対して何かしらの負い目を感じながら恋を続けている』状況にあります。
そのことによって、主人公はもどかしくて辛く感じるだけでなく、いつしか秘密がバレたら関係も終わってしまうと恐怖も抱いているようです。
そして、そのどうにも変えられない秘密を抱えた自身に対して、どこにもぶつけられない怒りをにじませ『おのれ』と自身に向かってある種の刃を向けているのでしょう。
誰しも、過去に何かしらの罪を犯すことはあると思いますが、その罪を償っているのであれば、未来まで引きずる必要はないと思います。
しかし、人間の心理として過去に犯した罪がデジタルタトゥのように永遠にまとわりつき心象を悪くしてしまうため、秘密を抱えたままの恋が形成されてしまうのでしょうね。
また、罪ではなく不倫関係であることを隠していた場合も、感情のコントロールというか割り切りができていないわけですから、やはり秘密を抱えたままの恋が形成されていくのでしょう。
どちらにしても罪悪感という怒りが、どこかしらで自身を責め立てる刃となってしまっているからこそ『おのれ』というワードを用いて表現されているわけです。
サビで描かれている2段階の感情の起伏
先程、LITMUSのサビで多用される『その』の意味合いと『おのれ』の正体について触れましたが、実は、『おのれ』というワードを境に感情の起伏が大きく揺れ動いていることも重要なポイントとして抑えておくべきと筆者は考えています。
『おのれ』より前の段階では、何かしらの秘密を抱えながら進行させていく恋に対する苦しみを吐露し、以降の部分では、そんな状況に追い込んでしまった過去の自分に対してのもどかしくやるせない怒りが映し出されています。
- 『その』の多用
- 『おのれ』というワードを使う意味
- 『おのれ』というワードを境に見える2つの感情の起伏
を感じることで、LITMUSが如何に切なくもどかしい叙情的な楽曲であるかがうかがえるのです。
ぜひ、その奥深さを、長屋晴子さんの素敵な歌声や緑黄色社会の奏でるサウンドと共に感じ取っていただければ幸いです。
LITMUSの曲調・音楽性
緑黄色社会の『LITMUS』という楽曲は、先程、歌詞の解説でも述べたように『秘密』をテーマに描いた物悲しいストーリー性を持つ楽曲です。
その象徴というべき前サビがいきなりやってくるわけですが、キーボード担当のpeppeさんが奏でるピアノに長屋晴子さんが『誰より深く~』と入っていく歌い出しに、思わず胸を締め付けられてしまいそうになってしまうのは筆者だけではないと思いますよ。
このどことなく物悲しさを感じさせる叙情的な出だしが、はっきり好きと言って相手のもとにい続けることのできないもどかしさを音の表現として描いているのです。
さて、LITMUSの全体的な曲構成にも触れていきましょう。
基本的には、LITMUSは
『前サビ→Aメロ→Bメロ→サビ→サビ‘→Aメロ’(2番)→サビ→間奏→サビ→締め』
といった構成で展開されています。
かなりシンプルな構成ではありますが、少し他の楽曲と異なる点は、
- 比較的Bメロが短くサビを余韻含ませたっぷり聞かせている点
- 楽曲の最後に止めとばかりに締めのパートが含まれている点
の2つが挙げられますね。
本記事では、Bメロとして表記していますが、実質的にはAメロとサビを結びつける短いフレーズでしかなく、2番に至ってはBメロそのものが存在せず、できる限り複雑化しないように配慮されているようにさえ感じられるのです。
では、何故、この様な極端にBメロを排除したかのような構成に仕上げているのでしょうか?
あくまで筆者の見解でしかありませんが、それはこのもどかしいストーリー性のある楽曲をサビで余韻たっぷりに展開するためにできる限り簡素化した方が良いと判断されたからだと思われます。
Bメロも長くサビも長くとなるとかなり気だるく感じてしまいますし、コンパクトに纏めながらもサビを印象付けるための簡素化としては、一番削りやすいBメロをシンプルにすることで、よりサビに着目させられる効果もあるのでしょうね。
続いて、LITMUSのサビのパートにも見ていきましょう。
筆者は、先程、曲構成の解説として『サビ』と『サビ‘』という表記で解説いたしましたよね。
具体的には、
- その手を、その目を、その輝きをそのままに~で始まるパート(サビ)
- おのれ、それほどあなたを思っていても~サビ終了まで(サビ’)
の2箇所がサビ・サビ’を構成しているパートにあたります。
ここで重要なのは、歌詞の解説でも触れた『おのれ』の部分で、普通ならここから先のサビの歌詞はなくても成立するのかもしれませんが、LITMUSはより余韻を含ませもどかしい感情をつたえるためにあえて2部構成として表現しているのです。
ちょっとこの辺の表現を曲調として文字で解説していくのは難しいのですが、例えば、人が涙するときも、いろいろ形があって、ほろりと涙をながす場合と号泣する場合がありますよね。
LITMUSは前半でシックに表現し、後半でもどかしい感情を爆発しているといった曲構成で奥の深いサビとしての表現を実現しているのです。
これは、何度も聴き返さないとスルーされがちですが、聴けば聴くほどその凄さを痛感させられますので、ぜひ、何度か繰り返して聞き返してみてください。
きっと、LITMUSに登場する主人公となる人物が、秘密を抱えながらも相手の傍にいたいという感情を募らせている様子が、サビの前半・後半の2部構成によって、より如実に表現されていることに気付かされると思いますよ。
それにしても、何よりもシンプルながらサビ一つで感情の起伏を表す事のできる長屋晴子さんの歌唱力とそれを信じるメンバー達の演奏には脱帽させられますね。
LITMUSが珠玉の一曲として筆者が推奨している理由はここにあると言えるでしょう。
透明感高く叙情的な緑黄色社会の欠かせないナンバーなので、ぜひ、みなさんも一度と言わず何度かLITMUSの曲調・音楽性を体感してみてくださいね。
タイトルがLITMUSである理由
最後に、楽曲タイトルが『LITMUS』である理由にも触れておきましょう。
LITMUSとは、誰もが小学校かあるいは中学校で一度は触れたことのあるリトマス試験紙のことを指します。
リトマス試験紙は、溶液を垂らすことで酸性かアルカリ性か見分けるシートですよね。
きっとこの楽曲の主人公も、ちょっとしたことをきっかけに
- 過去の秘密が明らかにされてしまう
- 秘密にしていたはずのあなた(相手)への恋心がわかってしまう
といった不安をよぎらせているのでしょう。
恋するあなたへ気持ちを打ち明けたいけど、打ち明けられないもどかしさや、それがいつバレてしまうかもわからない不安な気持ちを、酸性かアルカリ性か判別するために使われるリトマス試験紙になぞらえて楽曲が手掛けられた…
そして、その物語性が、リクエストされていた秘密と見事にマッチングできたからこそ、LITMUSというタイトルになったのだと思いますよ。
LITMUSという意味深なタイトルを付けたことで、より叙情的な楽曲に仕上がっているように思いますし、ぜひ、この緑黄色社会の名曲が、一人でも多くの人に聴かれることを心から願っています。
緑黄色社会『LITMUS』のまとめ
今回は、緑黄色社会の楽曲から『LITMUS』をピックアップし、楽曲の歌詞の意味や世界観、曲調・音楽性について、筆者独自の見解で解析しご紹介させていただきました。
LITMUSは、意中の相手に告白できない秘密を抱えながら恋をしつづける主人公の複雑な心理描写を、酸性・アルカリ性を判別するために使われるリトマス試験紙になぞらえ手掛けられた楽曲です。
切なくもどかしい心理描写が、長屋晴子さんの歌声や緑黄色社会の手掛ける音楽によってストレートに表現されているので、ぜひ、その叙情的音楽が奏でる世界観を、歌詞の意味や曲調・音楽性とともに体感してみてくださいね。