YOASOBI

YOASOBI『ミスター』がK-POP似である理由や歌詞の意味を考察!

『機動戦士ガンダム~水星の魔女』OP『祝福』や、アニメ『推しの子』OP『アイドル』など、SNSでもトレンド入り楽曲を次々リリースし、今人気急上昇の音楽ユニットYOASOBI

原作小説をモデルに手掛けたAyaseさんの楽曲に魅力溢れる唯一無二の歌唱力を持つ幾田りらさんの歌が見事に融合し、他に出せない独自のカラーを打ち出していますよね。

 

さて、そんなYOASOBIが2022年2月16日にリリースしK-POPテイストであると話題になった楽曲が『ミスター』

本記事では、YOASOBIの楽曲『ミスター』に焦点を当て、歌詞の意味・世界観、曲調・音楽性を紐解きながら、たっぷりと魅力をご紹介していきます。

 

YOASOBI『ミスター』のwiki風概要


出典:https://twitter.com/

ときにK-POPのテイストを盛り込みながらもYOASOBIにしか出せないカラーが溢れている魅力的でアンニュイな楽曲として注目された『ミスター』

まずは、そんな『ミスター』の簡単なwiki風概要を見ていきましょう!

 

今や、YOASOBIの代表的楽曲と言われたら、デビューシングル『夜にかける』や、いまなお大ヒットしている『祝福』、そして、新曲『アイドル』の3曲を推す声が多いのではないでしょうか?

ただ、先日、当ブログでもご紹介した三原色をはじめ、YOASOBIにしか出せないカラーの楽曲は数多く、どの楽曲を聴いても良い意味で中毒性が高いサウンドという印象を強く受けます。

 

その中でも『ミスター』に関しては、SNS上で『KARAの『ミスター』のパクリでは?』なんて声も挙がるほどかなり異質なテイストの楽曲です。

もちろん、明確な違いもあり、どことなく雰囲気は似ながらも、見事にYOASOBIカラーとして打ち出されている点はかなり評価が高いと言わざるを得ません。

 

さらに、異質なサウンドを打ち立てアンニュイな表情を描いた点はものすごく面白いと筆者は感じました。

そのアンニュイな表現技法に関しては、筆者独自の見解で追ってたっぷりご紹介させていただきますが、少なからずも今までに見られない幾田りらさんに遭遇することだけははっきり断言していいと考えています。

 

もちろん、完全に異なる歌い方をしているというわけではなく、一部を変えているといった表現の方が正しいとは思うのですが、こういった挑戦をYOASOBIはしてくるのかとただただ感心させられたのは間違いありません。

祝福の疾走感やYOASOBIの新たなラップサウンドといった、斬新な挑戦スピリットは、ミスターでも随所で見られていますし、そういった挑戦心を失くさないサウンドづくりをしているからこそYOASOBIは日々進化しているんだろうなと思います。

 

何かマンネリした気持ちを日々感じているのであれば、ぜひYOASOBIの楽曲に触れてみてください。

もちろん、今話題になっている祝福やアイドルもおすすめですが、筆者としては、隠れた名曲でもある『ミスター』を超おすすめします!

祝福やアイドルにない『アンニュイなYOASOBIサウンド』といった魅力をミスターから存分に感じ取れることができるので、興味ある方は、下記にMVのリンクも貼っておきますのでぜひ一度聴いてみてくださいね。

出典:https://www.youtube.com/

KARA『ミスター』との明確な違い


出典:https://korea-agashi.com/

冒頭でもお話した通りYOASOBIの『ミスター』もK-POPサウンドをオマージュしている印象は拭えず、そのことでSNS上ではパクリ疑惑すら起こっていたことはまだ記憶に新しい話だと思います。

その対象となったのが、KARAの『ミスター』であり、タイトルまでも同じというのですから、ちょっとした騒動になったとしても別におかしな話ではないでしょう。

 

ちなみに、KARAが歌う『ミスター』のMVがこちらです!

出典:https://www.youtube.com/

確かに、冒頭のところがかなり告示している印象を受けますよね。

 

もちろん、同じタイトルになったことも、テイストが似通ったことも偶発的なものだと思うのですが、あのAyaseさんが全く気づきもしないとはとても思えず、多少なりとも意識したところがあってオマージュした部分もあったのではと思います。

とはいえ、そこはYOASOBIの『ミスター』であって、KARAの『ミスター』では絶対に有り得ない技術を駆使して独自のサウンドに進化させていることだけははっきり断言できるのです。

では、どこが違うのか、その差はどこにあるのか、早速筆者なりの見解をお話してきますね。

 

結論から言ってしまえば、エッジが効いているか効いていないかの差であると筆者は考えています。

まず、KARAのミスターは、前サビの段階からかなりエッジが効いている印象を受けますが、YOASOBIのミスターにはそれがほとんど感じられません。

先日ご紹介した『アイドル』にも見られる跳ねるようなスタッカートの連続は、ヴォーカルを担当するikura(幾田りら)さんの得意とする歌唱法のひとつなのですが、それをかなり封印しているのがミスターです。

 

何故、わざとエッジを効かさずに得意としている歌唱法の一つを封印しているかというと、そのテーマが、アンドロイドと教授の歪な愛情を描いているために、アジアンテイストかつアンニュイな音楽で描こうとしているためと思われます。

ごく一般的な恋愛ドラマとして描くのであれば、何もアジアンテイストにする必要はなくロマンチックな音楽にすればいいだけの話です。

 

しかし、今回のミスターはまたテイストがことなり、自分を創り上げ命がけで守ってくれて、なおかつこれまで育ててくれた教授への愛情をアンドロイドが抱いたという設定なので、異質な愛として描く必要性がありました。

もちろん、近年何かと取り上げられる同性愛やアンドロイドが抱く愛情であろうがそれは変わりなく愛に違いありませんが、やはり、一般的なロマンチックな愛とはまた別の世界観というニュアンスで描かれていくものなのでしょう。

そして、その特別なアンニュイな世界観として、YOASOBIはK-POPをオマージュしながらも柔らかく表現することで実現させたのだと思うのです。

 

K-POPというと格好良く少し攻撃的な音楽という印象を受けますが、また一つ味わいの変わった音楽として表現できることをYOASOBIが確立させてくれたわけ。

確かに、一見、KARAのミスターに似ていることも事実ではありますが、明確な違いがそこにあり、賞賛されるべきYOASOBIサウンドといったところではないかなと思いますよ。

KARAの『ミスター』も、これぞK-POPという代表的なサウンドですし、YOASOBIの『ミスター』も、それに負けない大ヒットソングとしてますます多くのファンに愛される楽曲へと躍進してくれることを願っています。

 

『ミスター』の歌詞の意味・世界観


出典:https://liberty-anime.co.jp/

アンドロイドと人間が恋に落ちるのか?それとも親子としての愛で繋がっていたのか…

いずれにしても普通では考えられない愛情が蠢く過去の世界観を軸に、YOASOBIの『ミスター』の歌詞は紡がれています。

では、ミスターの1番の歌詞を中心に歌詞の意味や世界観を、筆者の独自見解ではありますが、早速、紐解いていきましょう。

アンドロイドが教授に想いを寄せた過去の話


出典:https://www.youtube.com/

YOASOBIが歌う『ミスター』には二人のキャラクターが登場します。

  • 一人は、フォーマルシャツが不釣り合いで不格好で不器用ながらも自身が作ったアンドロイドを心から我が子のように愛していた教授
  • 一人は、自身を創り上げてくれた教授に対してどこか恋愛感情のようなものを感じ始めていたアンドロイド

 

この二人は、かつて、作り手とアンドロイドという主従関係にありましたが、ある種、恋のような子供と接するような愛情が芽生えていきます。

そんな過去を持つアンドロイドが、何故か、海辺が見渡せる一室からひとりきりで、ニューヨークの五番街のようにビル群がそびえ立つ近未来の街並みを眺望しながら、ふと、当時の記憶を呼び起こしていくのです。

 

そんな情景が描かれている冒頭の歌詞がこちらです!

シングルサイズの部屋で一人きり
思い出すのはあなたとの暮らし
物語の舞台はビルが群れる
大都会を遠くに見る海辺の街

出典:https://www.uta-net.com/

 

一体教授はどこに行ってしまったのか?

そもそも、何故、アンドロイドは一人で大都市の風景を観ているのか?

色々気になっちゃう歌詞ですよね。

 

実は、この後の展開で、その意味がわかってくる仕掛けになっています。

なので、この時点では、単に物思いに耽っているアンドロイドという情景だけ、頭の片隅においておきましょう。

教授と初対面で抱いた怖い印象


出典:https://liberty-anime.co.jp/

ミスターのBメロの歌詞を見ていくと、正直なところ、初対面を遂げたアンドロイドの教授に対する印象は、決して良いものではないと思われます。

それはひとりきりになった今でも鮮明に覚えているほどですから、強烈なインパクトを与えていたことでしょう。

 

では、1番Bメロの歌詞を見ていきましょう。

初めて会った日のことだって
今もちゃんと覚えてる
フォーマルなシャツ
ジャケットが少し不似合いなあなた
言葉数は少なくて
いつも厳しくて叱られてばかりで

機械仕掛けの心を
無力さが包んでいった
でも

出典:https://www.uta-net.com/

 

アンドロイドの目線では、普段着慣れていないフォーマルジャケットが不格好に見えて、なおかつ口数は少なく何かにつけて叱り飛ばしてくる怖い男性という印象がうかがえる歌詞ですよね。

まさに、第一印象は最悪でしたが、それでもご主人である教授に少しでも気に入られようと、アンドロイドは機械仕掛けな無力感に苛まれながらも日々努力し続けているわけです。

なんとも健気で教授に忠実なアンドロイドですよね。

 

そんなアンドロイドがどのように心を変化させ教授への愛情を芽生えさせていったのでしょうか?

気になるところです。

健気なアンドロイドが愛情を芽生えさせた瞬間


出典:https://liberty-anime.co.jp/

さて、第一印象は決して良いものではなかった教授に対するアンドロイドの心象ですが、叱り飛ばされながらも健気に努力し教授に尽くそうとする姿が、1番のサビでより強くうかがえます。

そんな、1番サビパートの歌詞がこちらです!

あなたを知りたくて
何もかも知っていたくて
だけど教えてなんて
言えずに一人
そっと夜に祈る
少しでも分かりたくて
そんな日々を繰り返した

出典:https://www.uta-net.com/

 

アンドロイドは、少しでも教授に貢献しようと賢明に尽くしていたのでしょう。

全く興味もなくそっぽ向いているアンドロイドが、ご主人さまである教授のことを知り尽くしたいと動くわけがありません。

 

  • 少しでも気にいられたい
  • 少しでも喜んでもらいたい

そんなアンドロイドの感情が、はじめは無機質なものから徐々に責務としての感情へと変化し、やがて愛へと変わっていった…

そんなふうに読み取れてしまうのです。

 

確かにアンドロイド=機械であり、感情を持つことなど常識では考えられない話であるのは重々承知しています。

ただ、感情を持たないはずのアンドロイドが賢明に作り手である教授のことを親のように慕い知りつくそうとした結果、徐々に愛情が恋愛対象のものへと変化していく様子を見て、私達は切なくもどかしい気持ちを感じさせられるのでしょうね。

突然の教授との死別(わかれ)


出典:https://www.youtube.com/

不器用・不格好ながらもお互いそれぞれの思いながら愛情を芽生えさせた教授とアンドロイド

特にアンドロイドにおいては教授に対するかなりの愛情を持ち始めているように感じます。

 

ここでハッピーエンドとなれば良いのですが、残念ながらアンドロイドと教授に突然の死別(わかれ)が訪れます。

そんな様子がうかがえる2番後半の歌詞がこちらです。

あれは二人最後の思い出
暗闇でこの手を握り返して
笑ってくれた
あなたはもういない

出典:https://www.uta-net.com/

 

先程もご紹介した通り、この『ミスター』が綴る歌詞の世界観は、アンドロイドが過去に体験した記憶を遡り物語が形成されているので、一見、教授との死別(わかれ)が突然やってきたように映っています。

しかし、死別(わかれ)にも明確な理由は存在し、あくまでそのシーンの一部がカットされているに過ぎません。

 

では、一体、二人の身に何が起こったというのでしょうか?

これはあくまで筆者の想像でしかありませんが、もしかしたら、2番前半の歌詞ヒントが隠されているのかもしれませんね。

そんな気になる2番前半の歌詞がこちらです!

それでも時折見せてくれた
穏やかなあの表情も
一度だけ浮かべた涙も
隠しきれずに溢れていた
優しさだった
あの日もそうだった

出典:https://www.uta-net.com/

 

この歌詞を見ていくと、間違いなく、教授が溢れんばかりの優しさを唯一見せたあの日に何かがあったことは読み取れますよね。

おそらく戦争や災害など大きなアクシデントに見舞われ街並みが壊れてしまい、その際、アンドロイドの命を守るために自らの命を盾にして犠牲となってしまった教授は、残念ながら亡くなられたのだと思われます。

 

アンドロイドにとって教授は親でもあり恋人でもあったからこそ、『あなたのすべてを知りたくて』と思っていたはずです。

そして、徐々に無機質から恋へと感情を持ち始めたところで永遠の別れとなってしまったことに、アンドロイドは悲しみを拭いきれずにいるのでしょう。

 

アンドロイドを開発するくらい技術力には長けた教授であっても、生き方そのものにおいてはかなり無骨で不器用なタイプなのかもしれません。

そんな無骨で不器用な教授ですが、アンドロイドのことを我が子のように愛していたことは間違いなく、だからこそ命がけでアンドロイドを護ったのだと思います。

そして、不器用でいいから、私のこと叱ってもいいからいつもと同じようにあなたの声を聞かせてよと、アンドロイドは泣き叫ぶのです。

 

2番サビの部分など一部割愛しておりますが、YOASOBIの『ミスター』はここで膜を閉じますが、何度もお話している通り、この物語は、アンドロイドの過去の記憶によるものです。

ふと我に返りシングルベッドで一人きり大都会の風景を見つめている

『現在の世界軸=冒頭で描かれる情景』へと時間軸は戻っていくわけです。

 

つまり、アンドロイドが冒頭に思い吹けていたのは、ミスターこと教授との出会いから別れの思い出であり、教授に尽くすことによって恋愛感情が芽生えたアンドロイドの感情の移ろいを綴った楽曲が『ミスター』なのです。

実に切なく胸を締め付けるものも感じますし、またアンニュイという表現がしっくり来るような気がします。

 

ぜひそんなアンドロイドの感情の変化にも注目してYOASOBIの『ミスター』を聴いてみてください。

きっと、さらなる味わい深さに衝撃を受けることになると思いますよ。

『ミスター』の曲調・音楽性


出典:https://www.bilibili.com/

歌詞の意味・世界観のところでもお話したように、YOASOBIの『ミスター』という楽曲は、アンドロイドと教授のそれぞれの愛情が描かれた少し異質ながらも切なく儚いアンドロイドの過去の記憶に基づいた物語を描いた楽曲です。

歌詞の意味・世界観を読み解くと、まさにYOASOBIが掲げる原作小説をモデルとして描いている様子がうかがえるかのように、短編小説を読んでいるような味わいが堪能できる作品であることが理解できます。

 

そんな『ミスター』ですが、短編小説を読んでいるかのような感覚は、曲調・音楽性でも如実に表れています。

では、どのへんが短編小説を読んでいるような印象を与えているのか、改めて、独自の見解ではありますが、『ミスター』の曲調・音楽性を紐解いていきましょう。

 

まず、『ミスター』の基本構成はこちらです!

合いの手(イントロ)→Aメロ→Bメロ→サビ→(2番)Cメロ→サビ’→サビ→END(アウトロ・合いの手)

 

以上が、ミスターの基本的楽曲構成ですが、結構特殊で、ある意味『2番不在』という印象もうかがえる楽曲構成で仕上がっています。

どういうことかと言うと、本来2番と位置付けされるべき1番サビ終了後のパートが、かなり短縮されCメロとして登場しているのです。

更に、サビも2番ではサビ’という短いサビが入り込ませることでテイストを段階的に盛り上げている仕掛けをもたらしています。

 

この辺の構成は、先日ご紹介した『アイドル』に少しテイストが似ていますよね。

もちろん、アイドルはミスターより後にリリースされているので、似ていると言うならアイドルの方を言うべきですし、そもそもアイドルは2番以降がラップに変わっているので、また、ミスターとは大きく異なっていますが…

 

さて、話を戻しますが、『ミスター』は、厳密にはサビを挟んで1番・2番といった曲構成はあるもののん、実質1つの大きなまとまりで構成されているといえます。

では、何故、このような短縮させるような曲構成で『ミスター』は描かれているのでしょうか?

 

おそらく、その理由の一つとして、オーソドックスな恋愛劇とは異なるアンドロイドと教授の異質の愛の形を表現しようとしたため、柔らかくも流れるようなリズムの楽曲として構成していったように感じます。

また、もう一つの理由として考えられるのは、この『ミスター』そのものをアンドロイドの記憶をベースにした短編小説として描きたかった表れだとも思います。

 

YOASOBIは、原作小説をもとに楽曲制作を手掛けるというユニークな手法を用いてAyaseさんを中心に楽曲を手掛けています。

そんなYOASOBIらしい趣向がミスターに盛り込まれていて、結果として、短い構成の曲調・音楽性を持つ楽曲に仕上がったと考えられます。

 

今回の『ミスター』において、きっと皆さんが気になるであろうK-POPのテイストが盛り込まれている点に関してですが、これもK-POP独特の妖艶な世界観をうまく活用した結果だと思い割れます。

その辺の理由に関しては、何度もお話している通り、アンドロイドと教授の異質の愛を表現するためです。

 

確かに、K-POPといってもエッジを聞かせたら男性グループが手掛けるような格好いい曲調となってしまうのですが、YOASOBIはより柔らかく流れるようにゆったりしたリズムで描いているので、よりアンニュイな世界観が生まれました。

こういった曲調・音楽性におけるゆったり感、短編小説を読んでいるかのような短い構成をうまく活用して生まれた楽曲が『ミスター』なのです。

 

ぜひ、そのへんのところも理解した上で、もう一度『ミスター』を聴いてみてください。

きっと、アンドロイドと教授の愛が感じ取れるような独特の味わいが堪能できることと思いますよ。

YOASOBI『ミスター』からうかがえる一つの哲学


出典:https://liberty-anime.co.jp/

過去の記憶をたどりながら展開していく今回の『ミスター』は、まさにYOASOBIが原作小説をモデルに楽曲を描いているかのように、ちょっとした短編小説を読んでいるかのような味わい深いものを感じさせられます。

しかし、筆者自身、ただ『ミスター』という楽曲が、原作小説をモデルとした味わい深い楽曲で終わっているようには考えられません。

 

表面上は、アンドロイドと教授の、ある種、禁断の愛を描いたような切ないストーリーとうかがえますが、その光景を通じて今何かと話題になっているLGBTにおける同性愛に対する一つの答えのようなものも伝えようとしているようにも思えます。

そして、更に掘り下げてみると、愛の形は人それぞれ何万・何億通り存在し、相手が同性であろうが動物であろうが機械であろうが愛は存在しているという教えが『ミスター』に込められているのではと筆者は感じたのです。

 

あくまで、筆者の考察は一つの意見に過ぎませんが、もし、愛についてのメッセージが『ミスター』込められているのだとしたら、それこそ今の時代に必要とする一つの教えのような気がしてなりません。

筆者の意見は一つの参考に過ぎませんが、ぜひ、この機械にYOASOBIの『ミスター』を聴いて、愛について考えてみてはいかがでしょうか。

みなさんが少しずつ愛の形を許容するきっかけになれば、もっと自由にいろんな愛が広がっていくようなそんな気がした次第です。

YOASOBI『ミスター』のまとめ

今回は音楽ユニットYOASOBIの『ミスター』という楽曲に焦点を当て、歌詞の意味・世界観、曲調・音楽性を筆者独自の見解で紐解き、そこからわかるメッセージも含めご紹介させていただきました。

『ミスター』は、アンドロイドと教授の異質の愛を表現するために、K-POPをオマージュしながらもかなりエッジをそぎ取り、柔らかくゆったりとしたアンニュイな楽曲に仕上がっているように思います。

また、教授との死別(わかれ)を通じ、切なくもどかしい表情を描きながらも、そこには愛の多用系も含まれているという教えがあるようにも感じますので、その意味を噛み締めながら、ミスターの世界観を楽しんでくださいね。